著者近影

Profile

図子慧(ずしけい)

1986年、集英社コバルト文庫でデビュー。
ライトノベル分野でSFからミステリ、BLへと進み、いつのまにか一般文芸の恋愛物も書くようになるものの、介護と育児のダブルバインドで沈没。
復活しましたが、仕事がないので開店休業中。

代表作と、その作品についての思い

『アンドロギュヌスの皮膚』

【動機】
自分のことに触れますが、わたしの兄には生まれつき障害がありまして、将来を危惧した両親は介護要員としてもう一人子どもを作りました。それがわたしでした。
機能不全に陥った家庭から逃避するために読書に没頭し、結果的にこの方面に入りました。

兄は七年ほど前になくなりまして、無気力からなかなか抜けだせなかった時期に、自然にわきあがってきた話です。つまりは自分を癒やすために無意識が作りだしたおとぎ話であります。

娯楽は心を癒やすものだと信じております。

発表するアテもないまま書きあげた『アンドロギュヌスの皮膚』は、運よく本になりました。
拾ってくださった河出書房新社の担当様には心から感謝しております。

図子慧のすべての作品はコチラ

図子慧の本棚

絶版。富豪のお抱え殺し屋にして、ダンディなホールデン。
主人公ほかキャラクターの造形、乾いた文体、訳文、訳者の後書きにいたるまで好きです。

パラダイス・マンと女たち
ジェローム・チャーリン

ロブスター獲りの少年がある日遭遇した謎の墜落機。
リゾート地で暮らす少年と、金持ち観光客、観光施設で働く人々が階級差ふくめて描かれております。
現地に住んでるヨット乗りの作家じゃなきゃ書けない話。

謎の積荷を追え!
サイモン・ガンドルフィ

愛され系の女性になるための方法論を実証的に、そして男の幻想を、女の現実が粉砕する恋愛ミステリーの傑作だと思います。

トータル・エクリプス
リズ・リグビー

これまた扶桑社ミステリー文庫
すばらしい小説をすばらしい訳で読む。

この世の果て
クレイグ・ホールデン

オンダーチェは、女を口説くのが超絶うまい。

イギリス人の患者
マイケル・オンダーチェ

時代小説の短編集です。
はるか昔、新人賞に応募する前、この作品の冒頭描写で、視点の描き方を学びました。

竹光始末
藤沢周平

ノンフィクションですが、自動車事故を通してさまざまな人生がみえますので、ここに。
自動車事故の鑑定をおこなう工学者が、具体例をあげながら、事故時に起きたことを検証していきます。
事故車両や現場を調べて、実験によって再現する。読みおえたあと、交通事故の見方が変わります。
飾りのない文章からにじみでる作者の温かさややさしさがよいのです。

交通裁判のミステリ
江守一郎

エンタテイメントな面白さと怖さ、不条理を同時に描ける希有な作家の珠玉の短編集。
近藤ようこさんが第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞した「五色の舟」の原作が収録されています。

11 eleven
津原泰水

この中に収録された「ホリディズ」という中編の透明感と痛みの名残りがすばらしい。
おりに触れて読み返したくなります。

月と太陽
瀬名秀明

最初に読んだ西澤作品だからというわけではないですが、トリックと奇想天外な設定が、人という存在の根幹にかかわっていて、感動しました。

人格転移の殺人
西澤保彦