著者近影

satouseinan

Profile

佐藤青南(さとうせいなん)

1975年長崎県生まれ。
ある少女にまつわる殺人の告白』(宝島社文庫)にて第9回『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞を受賞、2011年デビュー。

代表作と、その作品についての思い

『消防女子!! 女性消防士・高柳蘭の誕生』

消防女子!! 女性消防士・高柳蘭の誕生』は横浜市を舞台に、女性消防士の活躍を描いた作品です。

現職の消防士さんの読書に堪える内容を目指し、各消防署所の管轄区域を色分けした横浜市の地図を自宅の壁に貼り、ときには自転車で横浜市内を走り回ってみて、実際の横浜市消防局の部隊運用に近づけようと努力しました。
ある場所で火災が発生したらどの部隊が最先着するか、後続隊はどの場所に陣取り、どういう役目を担うかをシミュレーションしたのです。

のちに横浜市消防局の消防士さんとお会いした際「あまりに現実に則しているので、現職の職員が偽名を使って書いたに違いないと職場で話題になった」というお話をうかがって嬉しかったです。

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佐藤青南の本棚

野球が大好きなので、野球関連の本をよく読みます。
フィクション、ノンフィクションどちらも好きですが、やはり一冊挙げるとなると、ノンフィクションの名作として知られたこちらになるでしょうか。

収録された8編の中では「江夏の21球」があまりに有名ですが、僕が一番好きなのは「背番号94」。

甲子園に無縁だった地方校のエースが思いがけずプロ球団に誘われ、飛び込んだプロの世界の華やかさに幻惑されながらいつの間にか道を踏み外していく過程があまりに切ない。
一本の映画を観たような重い読後感があります。

スローカーブを、もう一球
山際淳司

ギター小僧だった僕の夢は、オジー・オズボーンバンドのギタリストになることでした。

オジー・オズボーンは70年代にブラック・サバスのヴォーカリストとしてデビューし、還暦を越えた現在も精力的に活動を続ける『ヘヴィーメタルの帝王』です。
ステージで鳩やコウモリの頭を食いちぎったり、史跡で立ち小便をしてテキサス州から十年間のライブ禁止を言い渡されたりと、いかにも70年代のロックミュージシャンらしいむちゃくちゃな武勇伝で知られていますが、この本ではそれらのエピソードの裏側をオジー自身が赤裸々に語っています。

とはいえ当時、酒とドラッグに溺れていたオジーの記憶自体、曖昧なのですが。

アイ・アム・オジー オジー・オズボーン自伝
オジー・オズボーン

「このミス」大賞応募にあたり、過去の受賞作を全部読みました。
一番気に入ったのが第2回優秀賞受賞の本作でした。
まだ小説を読み慣れていなかった僕にとって、ハセベさん独特の気取らない軽妙な語り口と俗っぽい世界観に親近感を抱いたのです。

すぐに『ビッグタイム』、『ダブルアップ』とハセベ作品を追いかけたし、処女作の文体などは完全にハセベさんの物まねでした。

だけど残念なことに、いま『ビッグボーナス』は僕の手もとにありません。
以前付き合っていた彼女と喧嘩した際、激昂した彼女が近くにあった『ビッグボーナス』の文庫本をガスコンロに置いて火をつけたんです。

ごめんなさい、ハセベさん。燃やしちゃいました。

ビッグボーナス
ハセベバクシンオー

アメリカのコメディー映画が大好きで、DVDをコレクションしています。
ウディ・アレンみたいな洗練されたほうではなく、ベン・スティラー、ウィル・フェレル、ジャック・ブラックといった本当に“バカ映画”としか形容できないほうのアメリカンコメディー。
こういう話をすると、映画好きな人との会話もだいたい途切れてしまうのですが。

一番最初に好きになったコメディー俳優が、本作の著者であるスティーブ・マーティンでした。
彼の芸達者ぶりについてはぜひ出演作をご覧になっていただきたいのですが、ベストセラーとなった本作を読めば、彼の芸達者ぶりが高い洞察力に裏づけられているのだとよくわかります。

とにかく人間をよく観察している。
観察しているからこそ、ディフォルメして笑いにつなげられる。
ということなのかな。勝手な推測ですが。

やっぱり小説も映画も、人間を書けている作品が好きだなあと僕は思うのでした。

※書籍ではなくDVDへのリンクとなっています。

ショップガール
スティーブ・マーティン