著者近影

Profile

森晶麿(もりあきまろ)

1979年生まれ。静岡県浜松市出身。
2011年 七年前に書き溜めた黒猫シリーズ六篇を改稿した『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞。専業作家となる。

受賞作に始まる黒猫シリーズ(早川書房)五作のほか、『奥ノ細道・オブ・ザ・デッド』、『虚構日記』、『東京・オブ・ザ・キャット』(以上PHP)、『ホテル・モーリス』、『COVERED M博士の島』、『恋路ヶ島サービスエリアとその夜の獣たち』(以上講談社)、『名無しの蝶は、まだ酔わない』(KADOKAWA)、『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)、『かぜまち美術館の謎便り』(新潮社)がある。

4月に『四季彩のサロメまたは背徳の省察』(早川書房)を上梓予定。

代表作と、その作品についての思い

『ホテル・モーリス』

どれも代表作のつもりでおりますので選べませんが、死ぬ前にベッドで一冊読み返したい個人的な「好き」なら『ホテル・モーリス』でしょうか。
海外作品や映画の影響をストレートにかたちにできたもので、とにかく書いていて楽しかったです。
死んだら僕の存在抜きでもっと評価してもらえないかな、とか思います。

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他雑誌等でおすすめしたものはあえて省きます。
お薦めしたいものは多いのですが、たぶん黒猫シリーズで僕を知る方が多いと思うので、今回は恋愛ミステリに特化してみます。

恋愛小説とミステリーがこれほど自然なかたちで溶け合った作品は滅多にお目にかかれないのではないか、と思う。

玉嶺よ ふたたび
陳舜臣

里見弴はミステリ作家ではないけれど、その短篇のうますぎる切り口はどこかミステリに通じる鋭さを感じる。
とりわけ「俄かあれ」という短篇は、リドルストーリーとしてミステリ好きが読んでも十分に楽しめるし、恋愛的妄想を広げたくもなる逸品。

初舞台・彼岸花
里見弴

ウィンズロウは何を読んでも面白いし、基本必ずどこかに恋愛要素がある。
中でも本作は短いなかに、ハラハラドキドキもロマンスも凝縮されているので最初に手をつけるには良いのでは、と。

ボビーZの気怠く優雅な人生
ドン・ウィンズロウ

映画愛に満ちたノワール風味のレナード作品。
フランク・シナトラの音楽でも流しながらのんびり読むのがベスト。
ゆったりした流れからあっという間にラストへと引き込まれる。

ラブラバ
エルモア・レナード

乱歩は彼の壮大なおもちゃ箱の中から適当に玩具を選んで投げる。
その猫のごとき適当さ加減が魅力の一つで、そこには恋愛もエロスも、もちろんトリッキーな仕掛けだって入っている。
こんな芸は壮大なおもちゃ箱をもつ人にしか許されないけれど。

表題作はそんな乱歩の良さがぎゅっと詰まっているので大好きだ。

ペテン師と空気男
江戸川乱歩