著者近影

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Profile

風野潮(かぜのうしお)

大阪府生まれ、大阪府在住。桃山学院大学社会学部卒。

1997年『ビート・キッズ』で第38回講談社児童文学新人賞を受賞し、翌年に出版デビュー。同作で、1998年、第36回野間児童文芸新人賞、第9回椋鳩十児童文学賞も受賞。

2005年、故・塩屋俊監督により『ビート・キッズ』が映画化される。(出演/ハングリー・デイズ(現・ケラケラ)、相武紗希ほか)
ほかに児童書の著作多数。

現在は、2005年頃から取材を始めたフィギュアスケートを題材に、児童向のシリーズを展開中。 

代表作と、その作品についての思い

『ビート・キッズ』

講談社児童文学新人賞を受賞したデビュー作。

実際は、2014年発行の『ゲンタ!』の元になった同人誌とその続編シリーズが先にあって、その中で人気のあったキャラクター・エイジ(英二)が音楽と出会う番外編として書いたものでした。
当時の(同人誌イベントでの)読者さんが「これは児童文学では? どこかに応募したら?」と言ってくれたので、その時〆切が近かった講談社の賞に出したら受賞してしまいました。

お話のプロットより先に、英二が父親と大喧嘩をして家を飛び出していくシーンだけが見えて、そこまでをどうやって繋げていこうかと、いろんなシーンのパズルをはめこんでいくような書き方をしました。
後にも先にも、そんな書き方をしたのはこの小説だけです。

登場人物たちにとても愛着があるので、受賞の翌年に書いた『ビート・キッズ2』、約15年経って形になった『ゲンタ!』など、この本から派生する続編やスピンオフのアイディアは、いまだに尽きていません。

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風野潮の本棚

発売当時、新聞の書評を見て興味を持ち、本屋さんに買いに走って読み始め、たぶん一晩で読み終えたと思います。

今、自分の書いている物語の傾向やグレード(対象年齢)から見ると信じてもらえないかもしれませんが、この本と出会っていなければ作家にはなってなかったはず。

日本古代を舞台に繰り広げられる、スペクタクルなファンタジー。
児童書にしては硬質な文章でありながら、まるで少女漫画を読むみたいに、キャラクターの表情・動きがパーッと脳内に広がって、夢中になって読みふけりました。

読んだ頃にはもうかなり「いい歳」をしたおばさんだったのですが、ストーリーに燃え、キャラに萌え、ついには同人誌(荻原作品ファンを集めてのアンソロジー)を発行するまでになり、そこに作品を投稿することから始まって、人前に出すような文章を書くようになったのでした。

この『白鳥異伝』と前日譚の『空色勾玉』、続編『薄紅天女』は今でも私のバイブルです。

白鳥異伝
荻原規子

小学生の頃、少年ドラマシリーズにハマっていまして、そこで放映されたドラマの中でも印象に残っているのが『ぼくがぼくであること』でした。
当時のフィルムはもう廃棄されてしまったそうで、ドラマはもう二度と観ることはできないのですが、原作の児童書は今でも読むことができます。

家族の中に居場所のない劣等生の「ぼく」が、無計画な家出をきっかけに、いろいろな出会いや事件を経て自分を見つめ直し成長していきます。
子供の頃も夢中になって読んだのですが、今もスピーディーな物語展開やリアルな台詞、魅力的なキャラ造形に(同業者の端くれとしても)圧倒されます。

ドラマ化はされていませんが実は山中作品で一番最初にハマった本『青い目のバンチョウ』もオススメしたかったのですが、現在絶版状態で手に入らないようです(涙)。

ぼくがぼくであること
山中恒

掛け値なしに面白い時代物ファンタジー・エンターテインメント。

時代設定に即した文章づかいや、人物設定に違わぬセリフの言い回しなど完璧なうえに、なおかつ文章が読みやすい。
剣術・忍術・航海術なども付け焼刃ではない確かな知識として取り入れられています。
美形キャラも多数登場して「萌え」な気分も味わうことができて、一冊で何度もお得!

最初は「面白い時代小説」として読み進めていると、次第に時空を超えた息もつかせぬ展開になっていきます。
でもそれだけではなく、ドキドキしながらストーリーを楽しんでいくと、物語の奥底に秘められた重いテーマ、そしてキャラクターたちそれぞれの愛、そして作者の物語への深い愛に、読み終えた後もしばしあちらの世界に魂を持って行かれてしまいます。

忍剣花百姫伝
越水利江子

主人公2人がまだ11歳ながら、内容は本格ミステリーです。
キャラ立ちが素晴らしい。
少年執事ゆきとの境遇と語り口調がけなげで萌えます!

本筋のミステリー部分はもちろん緻密でおもしろいのですが、ありすやゆきとの過去にも謎があり、シリーズ全体としてのストーリーも楽しめます。
イラストも素晴らしく美麗!

藤野さんは児童書でデビューされましたが、一般書での著作も多数ありますので、ぜひ読んでみてください。

お嬢様探偵ありすと少年執事ゆきとの事件簿
藤野恵美