著者近影

著者近影(風羽洸海)

Profile

風羽洸海(かざはねひろみ)

奈良県出身

2013年12月にビーズログ文庫より『嘘つき姫と竜の騎士』でデビュー。
2014年に同文庫より続刊1冊と新作『私情により捕まえます!』ならびにデビュー作の本編にあたる『灰と王国』全4巻(単行本)を刊行して頂きました。

webノベルが存在しなかった時代からひっそり地味なファンタジー小説を書き続け、今もwebの片隅で生息中。
だいたいラノベと一般文芸の隙間に落っこちた感じの作品を書いています。

代表作と、その作品についての思い

『灰と王国』全四巻(KADOKAWA/エンターブレイン)

《闇の獣》による侵攻で地方から秩序が崩壊し、一方中央は政権争いに明け暮れるばかりで民の窮状に無関心。
そんな状況から立ち上がった一人の青年が竜との絆を結び、家族や仲間に助けられて故郷を再建し、最後には世界を脅かすものと対決する――骨格はいかにも王道のファンタジー。
ですが、古典の時代と変わらぬ人の姿を描きつつも、敢えて意図して外した部分もあります。

端的な例が家族の存在。伝統的にこうしたファンタジーでは、少年が生まれ育った《群れ》を離れて自立し栄達するものですが、『灰と王国』では主人公は家族と共にあり続けます。
これは執筆中ずっとひとつの問いかけが頭にあった為です。「国家が国民を助けず一切が自助努力に丸投げされる時代」において人はどう振る舞うのか、何が助けになるのか、と。

竜と人、そして帝国の滅亡といった異世界のファンタジーを味わいつつ、人の生きざま、人として生きること、様々に想いを巡らせて頂けたらと願っております。(なお、デビュー作はこの作品の後年の物語になります)

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風羽洸海の本棚

小学校の図書館で出会い、忘れられない一作となった冒険物語。
古い児童文学ではありますが、まったく色褪せない魅力が詰まった作品です。

ネズミ達の性格の多彩さと深さ、生きるために集団で逃げ隠れし、飢えと戦う困難。
土地者とよそ者との理解と共闘やちょっぴりロマンスまで入っていて、とんでもなく密度が濃い。

物語の面白さ、ひとの生きざま、歌と踊りの持つ力など、多くのことを教わった作品です。

冒険者たち ガンバと15ひきの仲間
斎藤惇夫

負傷のために若くして軍を退役した主人公マーカスが、父と軍団の名誉のため、また自分自身のために、ブリタニアの霧の向こうに消えた第九軍団の《ワシ》を探しに出る物語。
児童文学の古典名作です。

サトクリフ作品としては先に『運命の騎士』に出会っていたのですが、この作品でローマンブリテンの魅力にのめりこみました。

代表作『灰と王国』を書く契機となった作品。

第九軍団のワシ
ローズマリ・サトクリフ

言わずと知れた大著。

サトクリフでローマンブリテンに惹かれた後、この本のおかげで古代ローマにどっぷり浸かることになりました。

史料ではなく読み物だ、という声もあるようですが、だからこそ良い導入の書だと思います。

ローマ人の物語
塩野七生

火星探査ミッション開始早々、トラブルに見舞われてチームは撤退した――ただ1人、植物学者マーク・ワトニーを置き去りにして。
不幸中の幸いにして大量の物資(しかし有限)と丈夫な居住施設は無事。
なんとかして自分が生きていることを知らせ、地球へ帰らなければ!

……という何ともスリリングな状況から始まる、まさに純粋SFと言うべき大作。
陰謀だの政治だのロマンスだの、余計なものは一切排して「いかにして生き延び、帰還するか」に集中した小説です。

軽妙なユーモアがたっぷり盛り込まれた主人公の一人称パートが実に面白い。
ひとつ問題を解決したと思ったらすぐさま連鎖して別の問題が起き、休むことなく試行錯誤を繰り返す展開は、長さを感じさせず一気読み必至。

専門知識がなくても大体何が問題で何をやりたいかはわかるように書かれていますし、普段SFを読まない人にもお薦めできる一作。

火星の人
アンディ・ウィアー

世界にはなぜこれほど富と文明の格差があるのか。
住んでいる地域の自然条件なのか、人間の違いなのか、歴史的な経緯によるのか。
そういった疑問を様々な角度から論考していく内容です。

ピュリッツァー賞など多数受賞した名著。
資料としても読み物としても大変興味深いものでした。

銃・病原菌・鉄
ジャレド・ダイアモンド